野良猫は膝の上で眠る
「私は、籠の中だから。自由になれないと姫にはなれない。」
「ねぇ、誰に囚われてるの?」
私は囚われてるわけじゃないけどただ、助けてもらったお礼をあの人にしていただけ。
「言えない?」
黙り込む私に少し困ったようにはるが問い詰める。
「少しだけ、時間を下さい。」
私はぺこりとお辞儀をする。
わがままだけど一生なれないなんて言いたくなかった。
1度大切なものに触れてしまえばもう手放すことも、ずっと大切に守る勇気も持てない。
「ん、わかった。今は待つよ。いつか必ず俺に話してね。」
はるに頭を撫でられる。
こんな優しい人居ないから。
もう出会えないから、大事にしたい。