野良猫は膝の上で眠る
「これで僕がどれだけ鈴に執心かわかるでしょ?ずっと、そうなんだよ」
「クロ…」
「鈴のことをずっと愛していた」
でも、でも、どうして今更、私の望んだ言葉をいとも簡単に言ってしまえるのだろう。
私がずっと焦がれていたその言葉を。
「私はずっとっ…クロを待ってたんだよ?
なのに、なのに今更だよ!」
怒りで肩に力が入り少し震えた。
私はずっと巡ってこないクロの思いを待っていた。
「もう私にははるがいるの…っ」
「鈴っ!」
「ごめんなさい…」
クロの膝の上からスルリとどき立ち上がる。