野良猫は膝の上で眠る
崩れる
はるside
集会から帰り家の扉を開ける。
ただいま、と呟くのが癖になったのは、すずを拾ってからのこと。
だけど、そのすずが迎えに来ない。
いつもならおかえりって声が聞こえてくるのに。
もしかしたら寝てるかも、流石に夜遅いしなんて考えながら家に入り寝室を覗きすずを呼ぶ。
「すずー?」
黒いベッドの上は、綺麗なまま温もりを感じない佇まいでそこにあった。
他の部屋を全てみて、もしかしたらすずが隠れてるかもなんて考えて狭い家具の隙間も見た。
それでも、すずは、いない。