野良猫は膝の上で眠る

その動作だけでも疲れてしまってポスっとクロの元に凭れかかる。

頭もぼーっとしてしんどい。


「40℃って…」


そんなクロエの声が聞こえる。

なんでこんな熱が出てるんだろ。

ぼーっとした頭で考えて一つ思い当たる。
学校で風邪が流行ってたっけ。


「イツ、俺だけど」


私を抱えたまま電話をかけるクロ。

「そう、早めに頼む」

「ク…ロ?」

「鈴…大丈夫だよ。点滴してもらおうね」

そんな声が聞こえる。

優しい手が私をまたベッドに押し戻した。

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