野良猫は膝の上で眠る
「なん……で名前……。」
声を詰まらせながらきいてみる。
すると私の首元に手が伸びて、シャランと音を立てたネックレスには指輪が通っている。
「これ、すずでしょ。」
そっかこれ、みたのか。
この指輪には私の名前が刻まれている。
大嫌いな、でも1番大好きだった人がくれた。
「あなたは名前なに?」
「藍井 はる。」
はるはいい人。怖くない、見捨てない。
そんな気がした。
「はるに拾われて良かった、かも。」
「ふっ、素直じゃないなぁ」
だから、はるの猫になる。