人魚姫と幼なじみ。
私は、海の魔女に頼った





人間の足が欲しい、と。






彼女は、代償を要求してきた





私の右目を。







更に、もし幸せになれなかったら、泡になって死んでしまう、と。







私はその条件を呑んだ。







どうしたっていい。何を犠牲にしてもいい。






もう一度、会いたいから・・・!






そして、私は陸に上がった







私は、王子様と、幸せになれた。








右目は失ってしまったけれど、それでもいい。







王子様と一緒にいられるんだから。








私が幸せになれたのには、幼なじみが一役買っている








だから、婚約した日のお披露目パーティーで、ずっとお礼を言おうと探していた







でも、いなかった







海に帰ってしまったのかもしれない









私はもう、尾ひれを持たぬ人間







お礼を言いたくても、言えない









なにも言わずに去っていってしまったことは腹立たしい









その事だけが心残りだったけれど、私は王子様と幸せに暮らしました。




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