御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「しょう~がないな~。じゃ~お土産買ってきてね」

思っていることは全部自分の胸にしまい、いつもの様に

なんとも思っていないふりをしながら返事をした。

『もちろん。・・・・じゃあ・・・楽しみにしてる。おやすみ』

「お、おやすみ」

鈴城君が電話を切るまで私は切れなかった。

通話が完全に切れてからもドキドキが治まる気配がない。

これじゃ~寝れない。

顔はにやついちゃうし、心臓はバクバクするし、目は冴えちゃうし

私ってどんだけ鈴城君が好きなんだよ。

これで海外赴任が決まって離婚とかになったら


鈴城ロスでどうにかなっちゃうんじゃないの?

予想される結末を想像すると急に現実に引き戻され

がくっと肩を落とす。


別れるなんて本当は嫌。

凄く意地悪な鈴城君のままでいいからずっと一緒にいたいと思うのは

我が儘なのかな・・・

良いことも悪いこともいろいろ考えていたら

眠れなくなって、現実逃避するかのように私はお気に入りのごく甘恋愛漫画を1巻から12巻を

爆読みしてしまった。

< 106 / 191 >

この作品をシェア

pagetop