御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
だがこれも立派なお土産だ。決して日本では買えないものだし

ないよりいい。

だって鈴城君が選んでくれた物なんだから・・・

「鈴城君・・・ありがとう」

自分が今どんな顔をしているのか鏡で見てみたい。

期待しちゃいけにのに私の顔はきっと引きつっているはず。

ちらりと鈴城君の方を見ると何だか肩が小刻みに揺れている。

もしかして笑ってる?

あ~だめだ。今の私はうまく切り返す余裕もない

顔に出る前に部屋に戻ろう。

「お土産いただけたし、私自分の部屋に戻るね。このキーホルダー
家鍵につけさせてもらうね~~」

人差し指にキーホルダをはめてくるくる回しながら自室へ向かおうとすると

またも呼び止められる。

「本当は嬉しくないんだろ?」

「え?」

ヤバい、顔に出てた?背中を向けたまま立ち止まる。

「のあってすーぐ顔に出るんだけど・・・絶対に口には出さないよね」

ドキッ・・・当たっているだけに反論できない。

鈴城君は言葉を続ける。

「そのキーホルダーは冗談だよ。本当のお土産はここにあるからこっちこいよ」

柔らかいやさしい声に一瞬で私の心臓がざわつき始める。

でもどんな顔をして振り向けばいいのかわかんなくなってその場に立ち尽くす。

鈴城君にもう一度名前を呼ばれ

ためらいがちに振り返るとテーブルの上に細長い箱が置いてあった。

鈴城君は私の反応を楽しむ様に「早く開けてみてよ」と促す。

私は頷くと恐る恐る箱のふたを開けた。

「え?!」

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