御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
3

近くて遠い二人の距離

長く一緒に暮らしていると情がわいてくる。

あくまでも『情』だよ。

残念ながら鈴城君は私に対して情はあるかもしれないけど愛というオプションは付けてない。

私は違う。

常に心の中に鈴城君への愛を持っているけど・・・・それを表に出せないだけ。

相手にこの気持ちを見破られないようにしているの。

だけど最近何だか結婚当初と比べると鈴城君は優しくなった。

最初はめちゃくちゃ上からで何度も心が折れそうになっては泣いて、でも悟られまいと虚勢張って

妻を演じていた・・・・



本当は大好きな鈴城君のお世話をしたい。奥さんらしい事たくさんしてあげたい。

だけどそういう一般的な奥さんがやるような事は一切しないのが

この結婚のルールだった。


だけど、徐々にその厳しいルールが緩んできた。

多分、きっかけは1ヶ月前の鈴城君が出張から帰った来てからだと思う。

毎日じゃないけど、一緒にご飯を食べる機会が増えた。

といっても週に1~2回あるかないか程度だけど・・・

会話も増えた。と言っても中身は主に仕事の話だけど、今まで会話がなかったことを

思えばかなり進展したとおもう。



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