御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「お前、本当は俺の事好きだったんだろ?」

鈴城君の鋭い眼差しに私は後ずさりする。

「え?そんなわけ・・・ないよ。私は鈴城君の事なんてこれっぽっちも・・・」

「嘘だ」

鈴城君が徐々に私に詰め寄ってきて私は後ずさりする。

ここで「本当は大好き」って言ったら

どうなるの?

鈴城君が一歩一歩近づいてきて私は行き場をなくした。

2人の距離は今までにないほど近くて

今にも唇が触れそうなほど近く、思わず顔を背ける。

だが、それを許さんと言わんばかりに私のあごに手を掛ける。

「のあ・・・俺の目を見て答えろ。本当はずっと前から俺の事
好きだったんだろう?俺と結婚したくて嫌いだと嘘をついていたんだろ?」

私を見透かすような目と、ほんの数センチでキスしちゃいそうな距離で

囁かれる声に私の秘密のスイッチがオンになった。

「本当は・・・本当はずっとあなたが好きでした。
嫌いだなんて真っ赤な嘘。あなたに近づきたくて・・・嫌われてもいいから
結婚したくて嘘をついてました」

どうしよう・・・言っちゃった。
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