御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「38度6分か・・・・」

鈴城君の納得したような声が聞こえた。

っていうか、私そんなに熱あるんだ。

何でこうなったのか考えてみるがこれと言って思い当たることもない。

「とりあえず、水分をちゃんと取って睡眠を取ることだね」

「・・・うん。ごめんね・・・なんか迷惑かけて」

土曜出勤して疲れてるはずなのに・・・

「俺の事はいいって・・・それよりも何か欲しいものある?」

こんなに優しいのは私の体調が悪いからで、期間限定だから熱が下がると同時にいつもの鈴城君に

戻るんだろうなと思うとあんまり優しくされると欲張りになりそうで怖いんだけど・・・

「ううん。何もない。それより・・・私は寝てれば良くなるから鈴城君はもう休んで」

「なんで?」

え?どうして休んでって言ってるのに返事が「なんで?」なの

その言葉そっくりそのまま返したい!

がここはおとなしく

「仕事で疲れてるでしょ?毎日忙しそうだし・・・帰ってきた時くらいゆっくりしなきゃ」

「俺のことはいいって。それよりもお前の事が心配だからここにいる」

えええええ!何?どうしてそんなにやさしいの?

逆に怖い。
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