御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
鈴城君は立ち上がり私の方を向いたかと思うと

掛け布団をはぐ。

「え?な、何?」

何が起こっているのかさっぱりわからず動揺する私を無視するかのように

鈴城君は私の背中と膝裏に腕を入れたかと思うとそのまま私を持ち上げた。

「鈴城君?!」

悲鳴に近い声をあげる。

どうしてこうなるの?さっきわかったって言ったけど一体何に対してわかっただったの?

「大きな声出すな。ほら行くぞ」

無表情のまま部屋を出ようとする。

「どこへ?」

「俺がここで寝てるのが心配って言うのなら、俺のベッドで一緒に寝ればいいだろ。」

え?

今なんとおっしゃいました?

俺のベッド?

一緒に寝る?

「無理!無理!」

そんな一緒のベッドで寝たら逆に熱が上がりそうだよ。

「安心しろ、間違い起こすほど馬鹿じゃねーから」

履き捨てる様に言うとドアの前に立つ。

「ドアを開けるから俺にしがみつけ」

「えっ?!」

もう!さっきからなんなのよ。

ドキドキしすぎて私の気持ちがバレちゃうじゃないの!

「のあ!・・・・早くしてくれよ・・・」

「でも・・」

鈴城君はため息を吐く

「・・・俺に『重いから早く開けろ』って言わせたいの?」

「ごめん!」
< 122 / 191 >

この作品をシェア

pagetop