御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
二人の距離に少しずつ変化が表れ始めたこの時期に

こんなに密着されたら好きのレベルが益々上がるばかり。

嬉しいけど身体にも心にもよくない。

熱で体があついのに鈴城君が近すぎてドキドキで体が火照って

体がおかしくなりそうだ。

これじゃ~熱が下がったとしてもわからなくなる。

どうにか距離を取らないと・・・と思うのだが

鈴城君の腕は思ったよりずっしりとしてて抜け出せそうにない。

でもそれじゃあ困るから少し身体を動かしてみるがあまり意味がない。

どうする私。

考えてみればこんな体験はもう二度と訪れる事はないかもしれない。

もしかして今回の発熱は結婚したのに夫婦らしいことがないまま

終わりを迎えようとしている私に同情した神様がくださったご褒美なのかもしれない。

全部熱のせいにして思う存分密着してやろうか!とも思った。


でも・・・そんなことしたって結局後で虚しくなる。

ダメ、やっぱり無理。なんとかしないと・・・

「す、ず、し、ろ、く~~ん。この腕どけてほしいな~~」

申し訳なさそうに呟いてみた。

が、まるっきし反応がない。

もうちょっと大きな声で名前を呼んでみる。

「すずし・・・っふ・・ぐ」

「あと十分」

鈴城君が私をさらに強く抱きしめ、私は彼の胸に顔を埋める。


ええええ?

ちょっとこの人起きてるのそれとも寝ぼけているの?

私が一人であたふたしているというのに

密着度半端ないんだけど。

どうしよう無意識だと思うけど私のドキドキメーター振り切ってますけど~~!!

ちょっとこれじゃ~完全に私がドキドキしているって絶対バレちゃう。
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