御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

初キス

「ただいま~~」

ってあれ?鈴城君帰ってきてるんだ。

結局、居酒屋を出た後なんやかんやと外でしゃべったら一時間も経っていた。

靴を脱いでリビングに入るとソファーから足だけが見える。

「鈴城君・・・ただいま」

名前を呼んだけど無反応。

テレビには若手人気女優が主演の恋愛ドラマが流れている。


鈴城君でもこんなドラマ見るんだ。

私はソファーに近づく。

鈴城君はスウェットの上下を着て首にタオルを掛けたまま眠っていた。

洗いざらしの髪の毛が実年齢よりも若く見える。

「鈴城君、こんなところで眠っていたら風邪ひくよ」

軽く肩を揺すってみる。

「んん~~っ」

唸るだけで起きる気配が全くない。

あらら・・・こうなると起きないと言うことを昨日知ったばかりだ。

だけどさすがに鈴城君を抱き上げてベッドに寝かせるわけにはいかない。

私は自室に戻り、ダッシュで部屋着に着替えると私の使っている

毛布を持ってリビングのソファーで寝ている鈴城君に毛布かける。

「テレビ消しますよ~~~」

小さな声で囁きながらリモコンを持って電源を切る。

そしてもう一度だけ鈴城君を見る。

いつまで一緒にいられるのかな。

ふと友香が言ってた言葉を思い出した。


『間違っても鈴城君一人を海外赴任させちゃだめよ!わかった?』

出来れば一緒について行きたい。

だけど鈴城君は私の事なんか好きじゃないし、ついて行くなんていったら

きっと鈴城君を困らせてしまう。
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