御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

「はっ・・・俺と早く離婚出来るからうれしいって?それで泣いてんの?
・・・・だったら・・・視線反らさないで俺の目を見て言えよ」

鈴城君の顔は完全に怒りを露わにしている。

だけど何で鈴城君が怒るのか私には理解できない。

だって私の事なんかなんとも思ってないはず。

海外赴任と共に全てリセットできて嬉しいはずじゃないの?

でも鈴城君の目は嬉しそうな目なんてしていない。

言うまで離さないと言わんばかりの勢いだ。

ちゃんと演技しなくちゃ。

自分の気持ちを絶対に口に出しちゃいけない。

意を決して私は鈴城君の目を見つめる。

「やっと・・・偽装結婚が終わると思ったらうれー・・・・んっ!」

鈴城君は最後まで言わせてくれなかった。

うれしいと言おうとしたら唇を塞がれたのだ。


嘘?!

ど、どうなっちゃってんの?

びっくりして目を開けたまま固まっているが

これだけはわかる。


私今、キスしてる。
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