御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
昼休みが終わりデスクで書類の整理をしていると

上司の風間課長に隣の応接室に来るようにと言われ

後をついて行く。

そして課長に促されソファーに腰を下ろす。

「鈴城さんはもうわかっていると思うけど海外事業推進室の君のご主人の
鈴城チーフの海外赴任が決まったんだが、君はどうするつもりでいるか
決めている?」

「・・・・・・いえ、まだ具体的な話はしてません」

この状況で行くつもりはないとは言えず言葉を濁した。

「まあ~そうだよね。今日の今日で結論は出ないね。ま~彼が単身でいくなら
別にかまわないんだけど
君がご主人と共にアメリカに行くとなるとこっちもいろいろと調整が
必要になる。すぐにとは言わないがご主人と話し合って出来れば1週間以内に
返事をくれないか?」

「・・・はい。わかりました」

なんだか決めなきゃいけないことが山積みでため息が出ちゃう。

離婚→旧姓に戻り→定年までしぶとく居座って仕事に生きる。

という構図しか出てこない。

でも・・・そうなると、大騒ぎ→噂が飛び交う→肩身が狭くなるという展開が

生まれてくる。

でも仕方ないよね。

遅かれ早かれこうなることは想定内。

只、その時期が思った以上に早かったってだけ。

だけど結婚生活1年未満で離婚って、周りからしたらいいネタだよね。

それに自分が動じずにいられるかだよね。

なんか神様に試されてるみたいだ。
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