御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「あれ?今日は早いねどうしたの?」

いつもは私より二時間ほど遅く帰宅するのに珍しく早い。

「・・別に理由はないよ。それより何してんの?こんなところで」

「えっ?あ~~部屋探し始めないと・・と思ってね」

なんとなく気まずさを感じ、視線が泳ぐ。

「・・・そっか~」

鈴城君はそれ以上の事は何も言わなかった。

そうだよね。

離婚する奥さんの部屋探しになんて興味なんかないもんね。

「それより、ご飯まだだよね」

私は話題を変えた。

「あ~~」

「折角だから何か作るよ。でも、その前にスーパーに寄ってくから
鈴城君は先に帰ってていいよ」

「なんで?」

「え?」

「なんで一人で行くの?俺も一緒に行くよ」

鈴城君の意外な言葉に私は驚いた。

だって今まで一度だって一緒にスーパーに行ったことがなかったからだ。

断る理由も見つからず私は小さく頷いた。
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