御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
もちろん私だって鈴城君と別れて誰かと再婚するつもりなど全く考えてない。

私にとってはこれが最初で最後。

結婚がこりごりとかじゃない。

鈴城君以外考えられないから再婚するつもりはない。

だけど鈴城君と私との考え方はきっと違う。

結局私が鈴城君を不安にさせてるのかもしれない。

だったら

「もう～!何言ってんの。律がそう思ってても周りがそれを許さないって。
私も・・・・次は本気の恋愛をしていい人見つけるんだから。
律もいい人見つけなよ」

私はとびきりの笑顔を向けると、ワイングラスの中のワインを飲み干す。

「やっぱりこれおいしい。おかわりしなくちゃ」

笑顔を崩したくなくて私は中に入ろうと踵を返す。

「のあ！」

鈴城君に呼び止められ足を止める。

「何？」

「次は俺みたいな男じゃなくて、のあを心から愛してくれる男を見つけろよ」


鈴城君が私の事なんとも思っていない事はわかってるけど

遠回しにさよならって言われているようで

今のは正直ダメージ大きいかも・・・

だけどここで動揺を見せたら折角の演技が台無しだ。

私は振り返ると

一番の笑顔を鈴城君に向ける。

「うん。次は頑張るよ」

ガッツポーズでもして安心させたかったけど

出来なかった。

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