御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
何だろう・・・

この妙な緊張感。

っていうかダイニングテーブルに向かい合って座ってるけど

どう見ても鈴城君が怒る側で私が怒られる側のような雰囲気が

出来上がっている。

たしかに、鈴城君に何度も問い詰められても

頑なになっている私の方が分が悪い。

そして最初に口を開いたのはもちろん鈴城君だ。

「一筋縄じゃいかないって思ったけど・・・ここまでとはね~~」

腕組みしながら呆れ顔で私を見ると諦めたように

話し始めた。



「のあの友達が遊びに来たときに好きになったきっかけを聞かれたよね」

「うん」

入社式の時私が転びそうになって、それを受け止めてくれて

身体の柔らかさにドキッとして・・・・それがきっかけでって

思い出すだけで顔が真っ赤になりそうな事を涼しい顔で言ってた。

でも実際私もあれがきっかけで鈴城君に一目惚れした。

だけど鈴城君は友香達が安心出来るように言った嘘だと思っていた。

「あれ事実だから」

「え?」

「だから!俺は入社式の時にのあに一目惚れしたって言ってんの!」

「嘘……」

鈴城君は椅子にもたれながら大きなため息を漏らした。
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