御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「もう腹くくってお互い素直にならない?・・・・俺はのあが好きだよ。
夫婦らしいことあまり出来なかったけど俺はのあと結婚出来て凄く幸せ
だよ。だからこのまま一人でアメリカになんか行きたくない」

今・・・私の事好きって言った?

鈴城君の一言一言に驚きを隠せず顔を上げると

愛おしそうに私を見つめていた。 

「でも・・・でも・・・今日、上司に一人でアメリカに行くって言っていたって」

すると鈴城君は小さくため息をつく

「・・・たしかに一度はそう言ったけど、やっぱりのあの気持ちを確かめてから
じゃないと納得できなくて林田部長に返事を1日保留にしてもらったんだ。
だから今日はのあともう一度話し合おうとしたのにさっさと新しい部屋を
仮契約するから・・・・」

どうしようもうドキドキして絶対に鈴城君にも伝わっているはず

だって鈴城君が私の事を好きだなんてこれっぽっちも

思っちゃいなかったし、私が鈴城君の事を好きだって事も

なんだかお門違いじゃないかって思っていた。

だからずっとずっと嫌いなふりしていたしそれが正しいとさえ思っていた。

「私・・・・」

「なに?」

鈴城君が私の顔を覗き込む。

「本当は…本当は・・・ずっと・・・ずっと・・・・好きだった。
鈴城君が私の事が嫌いでもいいから一緒にいたくて・・」

鈴城君はうんうんと頷きながら私の話を黙って聞いてくれている。

「だから、ずっと好きな気持ちをかくしていたの。キスされた時も
私が熱を出して看病してくれたときもこのまま告白してしまいたい
衝動に駆られたけど私から離れてしまうかと思ったら怖くていえなかったの」

すると鈴城君は私を強く抱き寄せた。

「は~~~ぁ、やーっと聞けた」


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