御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

ずっと前に会っていた?

ずっと好きだった。

入社式の時、つまずきそうになった私を助けてくれた鈴城君。

小さな出来事だったけど私にとってはとても大きな出来事だった。

問題は、彼がかっこよすぎて私には手の届かない人って事。

だからこの気持ちを誰かに話したり、恋の悩みを友達に話すことは

なかった。

暗いかもしれないけど遠くから見ているだけでもいいと

思い続けてきた。

それこそこの思いは墓まで持って行くと決めていたのに・・・・




「墓まで持って行く必要なくなったろ?」

土壇場の急展開に正直まだ気持ちがついて行かない。

わかっているのは

鈴城君が私の事を好きだと言ってくれたこと。

そして私をアメリカへ連れて行くと言ったこと。

「これって・・・夢なんかじゃないよね?」

夢見ていた事が現実になったときって嬉しいと思うよりも

それこそが夢なのじゃないかと疑ってしまうものだ。

現に今の私がそうなのだから・・・・

「夢だったらたたき起こして同じ事を言うだけ」

全くかっこいいって得だよね。

こんな歯の浮くような台詞も似合ってしまうんだから・・・
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