御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

「もちろん、ただでお願いしようとは思っていないよ。
だって嫌いな男と結婚なんて誰もしないだろうし・・・」

ちが~~う。本当は・・・・大好きなんです~~~~って今言うべき?

って今更いえないわ・・・

「でも・・・・」

「副業感覚でいいんだ」

「副業?!」

結婚を副業なんて考える人がいるなんて思わなかったからだ。

それにそれを言ったのが思いを寄せている鈴白君だった事が私には凄くショックでもあった。

だが、鈴城君は表情を崩さず淡々と説明する。

「そう、俺が雇い主で君が雇われる側。といってもそんなに多くは出せないけど
今俺が住んでいるマンションは海外赴任している兄夫婦のものでファミリータイプ
なんだ。君には部屋を1つ貸すし、家事全般はしなくていい。簡単に言えば
結婚したとしても家庭内別居+結婚してくれている間毎月お小遣い程度のお金を
支払うよ。じゃないとなんのメリットもないのに嫌いな奴とこんなことできないだろう?」

ずっと好きだった人からいきなり結婚を申し込まれたかと思えば

愛情不要、離婚前提、それに副業感覚とまで言われてしまった私。

絶対に好きだなんて言えない。いや言わせてくれない環境が整いすぎた。

どうする私。

この際だから『好き』だったと言ってこのとんでもない申し入れを

断るっていうのもありだけど

自分の欲求だけのために愛のない結婚をしようとしている人が

はいわかりました。って言うと思う?


思わない。
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