御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
2回目?・・・でも数える事はやめるんだったっけ。

キスの回数も・・・この部屋に入った回数も・・・・

熱の出た私がこの鈴城君の大きなベッドで眠った時は

もう二度とこんなシチュエーションはないだろうと思っていたが

思った以上にその日はやってきた。

キスでもヒーヒー言っているのに

それ以上のことなんて私にはハードル高すぎる。

「あのね・・・私・・・こういうの、は、初めてで・・・」

結婚しているのに初めてとか言うのは何だか順番が逆の様な気がするけど

事実なんだから仕方がない。

私を上から見つめる鈴城君の表情は

何を言っても関係ないと目が語っている。

腹をくくらなきゃいけないけど心の準備は全然出来てない。

かといって「明日はどう?」なんて日にちを決めるって言うのも

ムードのかけらもないというか事務的というか・・・・

そう考えると今日のこの流れはロマンチックだし

マンガやドラマの様な展開だけど、全てにおいて初心者で

部屋の中は暗くて静かなはずなんだけど

私の鼓動が騒音レベルでマンガみたいにハートマークがどどーんと飛び出ている

様だった。

でも鈴城君はそういう私の気持ちを全てわかっている前提で

「こんな日が来るのをどれだけ待っていたか」ってそれこそ

マンガの台詞みたいな事を涼しい顔で言うんだから

NO!とは言えないんだよね。
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