御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
人生一度きり!楽しまなくてどうするんだ!っていうけど

そう思う時って大概大きな選択を迫られた時に頭の中のもう一人の私が

後押しする一言なんだけど

元々人より目立つことを避け地味に生きて来た私は

こういう大きな決断を迫られると冒険よりも安全を最優先にしてきた。

今目の前で返事を待っている鈴城君。

愛情ゼロの契約結婚しかも離婚予定アリ物件

冒険以外の何物でもない!

ないんだけど・・・・

それでも

鈴城君の事が好きだという気持ちは何物にも代えられない。


「・・・・・よろしくお願いします」

私は人生初の冒険を選んでしまった。

後悔よりも想像できない結婚生活・・・・どうなるんだろう。

目の前の鈴城君は小さくガッツポーズ。



しかし結婚でもしなきゃならないほどモテるってどうなんだろうな~~

私からしたらうらやましいとさえ・・・

「じゃ~早速だけど・・・これ書いておいて。保証人は俺の友人に書いてもらったから
後は君の書く欄だけだから」

差し出された物は婚姻届だった。

私の思い描いていたプランは、2人で用紙を取りに行ってドキドキしながら自分の名前を書く。

今なんかピンクの婚姻届なんて物もある。

だけど今目の前に置かれた婚姻届は単なる書類にしか見えない。

「え?もう・・・・婚姻届け書いてあるんですか?」

テンションが一気に下がる

「まあね。あっ!間違えないように書き直しきかないから」

愛を全く感じられない事務的な言い方にへこむ。

「は・・・はいっていうか・・・今ここで書くんですか?」

「善は急げっていうだろ?このまま区役所に行って提出すればいいんだし」

早くサインしろとせかされてる感半端ない。

「はあああああ?今から?」


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