御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
椅子に座って改めて稲荷ずしを見たがその量の多さにいったい誰がこんなに食べるんだと

聞きたくなったがやめた。

「引っ越しそばでも作ろうと思ったけど無性に稲荷ずしが食べたくなって
気が付いたらこんなにたくさんできたってわけ」

鈴城君は少し照れたように視線を逸らしながら稲荷ずしを1つとって食べ始めた

私もつられるように稲荷ずしを皿に取った。

いただきますをして稲荷ずしを一口

「ん?!・・・・おいひい~(おいしい)」

本当に鈴城君が作ったの?と聞きたくなったが

また冷たい一言をあびせられそうなのでやめた。


でもいくらおいしい稲荷ずしでもこんなピラミッド級に積んだものを

全部食べられるわけもなく・・・・どうするのかと思ったら

「これ・・・明日の朝と・・・昼の弁当用も含まれてるから」

「弁当?」

鈴城君が言うには新婚をアピールするために弁当を持参するというのだ。

でも作ったのは本人。

「もちろんこれはのあが作ったって事にするからとりあえず
明日はのあもこれ持ってってね」

「は~~~。でも弁当箱は・・・」

「それはちゃんとこっちで用意してあるから問題ない」

表情変えず淡々と話しながら鈴城君は稲荷ずしを食べていた。

全く手が込んでると言いますか・・・用意周到といいますか・・・

ある意味感心した。
< 29 / 191 >

この作品をシェア

pagetop