御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「どうしたんだよ」

鈴城君は面倒臭そうに資材置き場に入ってきた。

「ごめん。でも・・・まさかこんな大騒ぎになるなって思ってなかったし・・・・
それに友達の友香と直美に結婚の事、なんて説明したらいいのか・・・だから」

鈴城君は友香と直美という名前を聞き、口角をあげた。

「あ~~俺の悪口言ってた時に一緒にいた二人ね」

「そうです」

いちいち嫌味だな~。本心じゃないのに・・・・

「俺に口止めされたとでも言っておけばいいじゃん。設定では俺が猛アタックして
付き合えるようなったって事にしただろ?だけど付き合ってるって言ったら会社中に広まって
のあが会社に居づらくなるのは困るからとか・・・・」

「・・うん。わかった・・・・でも」

「まだなんかあるの?」

さらに面倒くさそうに睨まれた。

「あるわよ。今まさに私会社に居づらくなりそうなんだけど・・・・」

「・・・・・そう・・・かもね。俺への質問も半端なかったし・・・。一応用心のため
のあの名前はまだだしてないから・・・今俺の嫁さんが誰かその話でもちきりだね」

おいおいなに面白そうにいってんの?

私が奥さんだってわかるのは時間の問題だよ。

怖くて泣きそうだよ。

すると鈴城君が私の頭を優しくポンポンした。

「大丈夫だって・・・・俺がのあを全力で守るからさ」

鈴城君の優しい言葉に私の顔は湯気が出そうなほど真っ赤になった。

するとすかさずニヤリと笑った。

「あれ?顔赤くね?もしかして今のでドキッとしちゃったり?」

「してません!資材置き場が暑いだけです」

無理がある言い訳だけどここで正直に言ったら

私の気持ちがばれてしまう。

でもやっぱり私の心臓はドキドキが止まらなかった。
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