御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
2人は互いの顔を見合わせると、仕方なさそうにため息を吐いた。

「じゃあ・・・・嫌いだ嫌いだって鈴城君の悪口を言っていたのは嘘で
本当は好きで好きでたまらないって事ね」

「・・・・・・はい」

これだけは嘘じゃない。嘘じゃないけど・・・・

友香と直美は再び顔を見合わせ、今度はニヤリと笑い、いきなり私に抱き着いてきた。

「もう~~!!やるじゃんのあ!おめでとう!!」

「あの鈴城君がのあにメロメロなんでしょ~~もう~~うらやましい!!!」

「・・・あ・・ありがとう」

2人からの祝福にうれしいのやら申し訳ないのやら複雑な気持ちでいっぱいだった。

そして弁当箱のなかの大量の稲荷ずしを3人で食べた。

2人はおいしいおいしいと言っていたがまさかこの稲荷ずしを作ったのが

鈴城君だって事は・・・・・教えません。


「ところでさ~うちの課でも鈴城ロスが急速してるんだよね」

友香はやれやれと言った表情を浮かべながら言うと直美も頷く

「友香んとこも?うちもだよ~~鈴城君人気って芸能人並みだもんね。
のあも今は新婚で幸せいっぱいだろうけど・・・・・落ち着くまでは大変かもね」

・・・落ち着いたら離婚だけどね・・・・

「うん・・・ありがとう」

すると友香が私の前で止まった。

「でもさ!何かあったらすぐに私や直美にいいなさいよ!」

「そうだよ。もし鈴城君と結婚したことで何か嫌な事言われたり
なんかされたりしたらすぐに言うこと。いい?」

「うん・・・・友香・・・直美ありがとう」

2人の気持ちがとてもうれしかった。

と同時にこれが本当に愛のある結婚じゃない事に罪悪感が増した。
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