御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
結局、鈴城君が戻ってきたのはドラマがちょうど終わったころだった。

・・ってことは・・・いまからご飯だよね。

でも私の方からご飯の事を聞くのはな~~

なんで一つ何か聞くごとにこんなに緊張すんのよ。

この先、毎日こんなことが続くのかと思うとどっと疲れを感じた。


鈴城君はタオルを首に巻きながらキッチンに入り何やらごそごそしていた。

「のあ?」

「な・・なに?」

突然な前を呼ばれた私は咄嗟にソファかあ立ち上がる。

「友達にうまく説明できたの?」

冷蔵庫を覗き込みながら私を見ずに聞いてきた。

「う・・・うん。2人共びっくりしたけど最終的には喜んでくれた」

私はどこに視線を向けたら良いのかわからずそわそわしながら答えると

鈴城君は関心なさそうにふ~~んと返事をすると何やら作り出した。

会話終了

嫌いな者同士の会話なんてこんな者よね。鈴城君ご飯作ってるみたいだし・・・

「じゃあ…私、寝ます」

ぺこっと頭を下げると後ろから小さな声だったけど「おやすみ」という声が聞こえた。

私は鈴城君に背中を向けたまま「お・・・おやすみ」とそのまま自分の部屋に入った。

勿論顔は真っ赤だった。


うわ~~~

なんかめちゃめちゃドキドキした。

おやすみって言われただけなのに・・・誰にでもいう言葉なのに

とても優しい声だったからなのかな?


炊いたご飯たべてくれるといいな・・・・

そう思いながら私は眠りについた。
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