御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
だが私からしたら全く面白くないし納得もできない。

「鈴城君」

「・・・・なに?」

不機嫌さ全開の投げやりな返事が返って来た私はの頭のどこからかプチッとキレるとこがした。

「それ…返してよ。それとそんなに文句があるならさっきも言ったけど
自分で買いに行けばいいじゃない。何が『俺はいつもフローラルグリーンの香りがいいんだよ』よ
そんなにこだわりがあるなら事前に言えばいいじゃない。まるで買ってきた私が悪者みたいじゃない。」

まだまだ言いたいことはあるけどぐっとこんなことで争いたくもないから抑えたが・・・

「はぁ?そんなもんここに置いてあるのを見れば普通同じもの買ってくるだろ?」

まるで人を小ばかにしたように言葉を吐き捨てる鈴城君に初めてイラッときた。

「だったら・・・・食器洗い洗剤からトイレ用洗剤まで自分のお気に入りを一覧表にでもしたら?
そもそも好きでもない人と無理やり結婚したってのに柔軟剤まで同じ匂いにしなきゃ
いけないなんて・・・・」

・・・あっ!しまった。

勢い余って思ってもいない事を口に出してしまった。

直美と友香の前で鈴城君の悪口を言っていた時もそうだけど

私はいつも余計な一言が多い。

私の悪い癖だ・・

だけど口から出てしまったものはもう取り消しがきかない。

鈴城君は吐き捨てるように「わかったよ」と言って洗剤を棚に戻した。

そして・・・「出かけてくる」といって洗濯物を洗濯機に入れたまま出かけて行った。


洗剤と柔軟剤が違うってだけで文句言われたのに

なんで私の方が罪悪感を感じるんだろう。


せっかくの日曜日。特に何も用事がない日曜日だけど

こんなに面白くなく、気持ちが重くなる日曜になるとは思わなかった。


それにまさか結婚して初めてのケンカの原因が洗剤と柔軟剤って

どうなのよ~~~!!!
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