御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

「へ～～～鍋か～～」

なんだか想像通りのリアクションに苦笑いするしかなかった。

もちろん、鍋以外のメニューも考えた。

料理は嫌いな方ではない。凝ったものは作らないけど

高校生の頃は自分の弁当は自分で作っていたから一応一通りの事は出来る。

だけど、好きな人に初めて作る手料理は悩むでしょ。

薄味？濃い味どっちが好きかな？とか

嫌いな食材は？

悩みだしたらきりがない。


で、悩んだ末に決めたメニューが鍋だった。

もちろん、鈴城君のリアクションも想定内だ。


「普通の鍋かもしれないけどちゃんとサプライズ用意してあるから
文句を言うのならその後にしてよね」

本当はそのサプライズが気に入ってくれるかドキドキなんだけどね・・・

「はいはい、じゃ～そのサプライズ、楽しみにしてるよ」


少し上からな言い方だけど

食べだしたらうまいうまいと何度も連呼してたくさん食べてくれた。

私は一緒に食べれるだけでもう胸がいっぱいだけどね・・・・

「ところで、仕事はどう？」

「順調だよ。のあのお陰で仕事に没頭出来て助かってる」

相変わらず凄く褒めてくれるんだけど・・・・何もしていないから

答えに困ったが・・・・

「あっ！そういえば今日、鈴城君の上司の猪瀬部長に話しかけられたよ。
部長さん鈴城君の事凄く褒めてたよ。」

鈴城君は鍋を食べながら嬉しそうに頷いていた。

「のあの事も褒めてたよ」

「・・・・うん。その時に言われた。本当は何もしてないんだけどね…ハハハ」

だって本当の事だもん・・・・紙ぺらだけの奥さんだけど私は何も・・・・

すると鈴城君が急に真顔になった。

「してんじゃん」

「え？」