御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
まさか、こんな形で鈴城君の部屋に入ることになるとは思わなかった。

親友で同期の友香と直美が家に来ることになり

この、家庭内別居状態から寝室は一緒だよ~~をアピールするため

本日に限り、私の私物の一部を鈴城君の寝室に置くことになった。

だけど、鈴城君の寝室はなんの飾り気のないもので全体が黒。

男の人の部屋と言えば問題ないけど2人の寝室となると話は別で

このまま友香たちに見せたら

「え?これが?」と言われても不思議じゃない。

そんな部屋に私の私物を置いたら凄く浮く。

ツッコミどころ満載だよ!

友香たちは13時に来ることになっている。

時間は10時、言うだけ言ってみようかな・・・・・

リビングで新聞を読んでいる鈴城君に

「あのさ・・・鈴城君の寝室なんだけどね・・・ベッドカバーとか枕とか・・・
何とかならないかな」と聞いてみる。

「ベッドカバー?」

鈴城君は怪訝そうな顔で私を見たが、ここであっさりと引き下がる訳にはいかない。

「ベッドカバーが凄く男っぽいんだもん。それに普通さ~同じベッドで寝ているなら
枕も同じかもしくは色違いじゃない?
・・・あれじゃ~友香たちにいろいろとつっこまれそうなんだけど・・・・ベッドカバーが無理なら
せめて枕だけ同じにしない?・・・今月のバイト代もいらないから!変えちゃダメ?」

私の切実な思いが伝わったのか、鈴城君は読んでいた新聞をテーブルに置くと

立ち上がり、時計を見た。

「わかった。時間ないだろ?着替えたら買にいくから支度してよ」
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