御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「・・・・・ちょっと安心した」

直美がホッとした表情で私の肩にもたれ掛かった。

「直美？どうしたの？」

「うん・・・・ごめん・・・実は私も友香も本当の事を言うと心配してたんだ」

２人は顔を見合わせ頷いた。

「心配？」

「うん・・・・のあの事だから社内でも１，２位を争うほどのイケメン君を
旦那様にもったからといってあからさまな態度をとるような事は
しないのはわかってたけど、私たちの前でもそういう態度をとるって事は
もしかしてうまくいってないんじゃないのかなって思ったの」

すると友香が直美の言葉に付け足す様に思っていたことを吐き出した。

「だって、今が一番幸せな時じゃない。私たちの前だけでものろけたくなるのが
普通だって思ってたの。だけど・・・のあ、何も話さないし」

私は自分でも気づかないうちに２人に心配をかけていたんだ。

「友香・・・直美・・・ごー」

ごめん・・そう謝ろうとしたがその言葉は鈴城君の言葉でかき消された。

「２人に心配をかけてしまったのは僕の責任だ。すまない。
だけど・・・僕がのあを好きだって事に嘘はない。今は僕の仕事が
忙しくてのあに寂しい思いをさせているのも事実なんだ。
だけど絶対に彼女のことを幸せにするから安心して」

鈴城君は決意表明でもするかのように２人に宣言したが、私は今言った言葉が

全て嘘だとわかっているだけに切なくなった。

あ～なんか胸が苦しい。

「・・・・だって、のあ。あんためっちゃくちゃ愛されてんじゃん」

直美がニヤリと笑いながら私の顔を覗き込んだが

「のあ？」

直美が驚いた様子で私を見た。

「えっ？」

なんで直美が驚いているのかわからなかった。

だけど・・・・

「やだ～～。あんた何涙なんか流しちゃってんの？かわいいな～～」

と言いながら友香が私の頭を優しくなでた。

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