御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
しばらくして鈴城君が戻ってきた。

係の人にチケットを渡し、半券をもってシネマ3に入った

一番後ろの丁度真ん中の席。私も普段映画を見るときは後ろの方を指定する。

鈴城君ナイス!と心の中で叫びながら椅子に座り、コーヒーとお茶を差し出した。

鈴城君はコーヒーを選ぶとカップホルダーに置いた。

「ところで、のあはその映画誰と見に行ったの?」

急に聞かれた私は一瞬悩んだ。

だって友達でも彼氏でもない、ほぼ他人で名前も知らない

イケメン君だったからだ。

「う~ん。それがちょっと複雑と言うか・・・男の子と見たんだけど、名前も知らないし
単に映画をみただけだったから・・・」

どう答えてよいのか悩んででた言葉がこれだった。

「え?もしかしてナンパ?」

鈴城君が興味津々な目で私を見る。

「いやいや、そうじゃなくて友達に-」

頼まれてと言おうとしたら

ブーと映画の始るブザーがなって暗くなった。

だけど気になったのか鈴城君は話の続きを催促してきた。

「友達に?」

「うん。友達に頼まれて名前も知らない人と映画見たんだよね。
イケメンだったけどね」

私はお茶を飲みながらはなすと

鈴城君が何か私にいったみたいだったけど

丁度映画予告が始まり、しかもいきなり爆破シーンだったもんだから

鈴城君の声も聞こえなければ、表情も暗くてわからなかった。
< 90 / 191 >

この作品をシェア

pagetop