御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
全く私って現金よね。さっきまでラーメン屋ってだけで軽くショック受けてたのに・・・

目の前に塩ラーメンが置かれた途端

魚介の香りがふぁっと広がって透き通るようなスープの上に乗っかった

大きめチャーシューとネギ、そして細めの麺。

私は思わず目を閉じながら匂いを嗅いだ。いや匂いに包まれる。

「ほい」

鈴城君が私の目の前に箸を差し出した。

「ありがとう」

私の後に続いて鈴城君も頂きますって言ってくれたのがなんだか

嬉しくってまだラーメンを食べていないのに身体はもう温かくなっていた。



そしてラーメンのお味はと言うと・・・・

「やだっ!凄くおいしい」

いままで食べたラーメンの中でもかなり上位にランクインしそうなほど

おいしかった。

麺とスープの絡み具合が抜群ですっきりしていながらも魚介の旨みが

ぎゅっと詰まったラーメンで、みんなが何で黙々と食べるのかがわかった気がした。

おいしいから夢中になるんだってね。

もちろん鈴城君が黙々と食べている姿はやっぱりかっこいい。


「あんなおいしい塩ラーメン初めて。ありがとう」

店を出ると私は鈴城君にお礼を言った。

「いいえ、どういたしまして」

鈴城君も満足そうにいい顔をしていた。
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