御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
鈴城君が今手がけている海外プロジェクトは

アメリカ、サンフランシスコに日本人向けのアンテナショップを建てることだった。

目的は海外に住んでいる日本人向けに

47都道府県の地元の加工品、調味料など保存の利く食品を厳選し、販売するというのだ。

鈴城君は商品のセレクトと仕入れなどの担当リーダーだった。

これが成功すればサンフランシスコだけではなくニューヨーク、いや、イギリスやフランス

も夢じゃない。

「近いうちに海外出張になる」

鈴城君の顔は凄くイキイキしていた。

そりゃ～そうだよね。このプロジェクトに力を注いできたんだから。

でもそうなると私たちの結婚はどうなるのだろうと不安がよぎった。


「どのくらいいくの？」

私は不安を見せないように淡々とした口調で聞く。

「ん～1週間ぐらいかな。だけど・・・しばらく忙しくなるね」


「そっか～」

なんて言えばいいのかわからなくなった。

もしかしたらこのまま海外に行ったきり・・・海外赴任というのもあり得る

「なあ・・・のあ」

鈴城君が急に改まった口調になった。

「なに？」

鈴城君は私をじっと見つめるととんでもない事を聞いてきた。

「今、好きなやついないの？」

「え？」

何でこのタイミングでこんなことを聞いてきたのか私にはその真意がわからなかった。

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