恋する気持ち。
先に着替えを済ませたすずを送り出し、私は1度深呼吸をして電話をかけた。
相手はもちろん。


「……はい。」


「もしもし。須賀?私。美波ですけど。」


「わかるよ。俺はちゃんと恭華の番号登録してあるからね。」


「あっそう。今仕事終わったんだけど。」


「おつかれ。今従業員入口のとこで待ってる。」


「はぁ!?」


まった、目立つところで待ちやがって!!

「今すぐ行くから隠れてて!」


「はぁ?なにそれ。まぁ、いいけど。」


電話を切ると、私は急いで従業員入口へと向かう。
あんな目立つのを、待たせといたら噂がもっと広まってしまう。


「あっ!おい、美波!!」


呼ばれて振り返ると、そこには以前化粧品フロアでマネージャーをしていた、
山井さんがいた。


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