恋する気持ち。
須賀 伊織という男
***
「あんたいったい、何者っ!?」
席につくなり、メニューを開くよりも先に須賀に問いただす。
『食事にでも。』と誘われ連れていかれたのは、超有名レストラン。予約は、1年先まで埋まっている人気店に、予約もなく入店できたのだ。
初めはもちろん、断られた。
しかしその瞬間、店の責任者が慌てて飛んできて平謝り。
すぐに個室に案内された。
「なんだよ。何者って。時代劇じゃねぇし。」
そう言ってパラパラとメニューをめくる須賀。
そして、フッと顔をあげるとニッと笑う。
あっ、その顔好きかも。
「そっか。恭華、高校の時から俺に興味なかったもんな。知らないか。」
メニューをパタンと閉じると、
「苦手なものなかったら、おまかせでいい?ここは、なんでも旨いから。」
「あっうん。大丈夫。」
「そっ。」
須賀はウェイターを呼ぶと注文する。