母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 アメリカには留学プログラムで、やってきた。
じゃあ、留学プログラムってなに?
って事だけど、簡単に言っちゃえば、

”留学パックツアー”

  そう、一般の海外旅行と同じで、限定何人
って、希望者を募って、その人達と一緒に、
海外旅行ならぬ、海外留学をする物。

”海外留学したいけど、右も左も分からない”

  それどころか、「パスポートってなに?」的な人でも、

「はい、海外のこの学校に行きたい人は、
我が社がパスポートからお支度いたします!」

 って感じで、お金さえ払えば、
あとは自分の荷物を用意するだけで、
あとは本人が何もしなくても、2~3ヶ月後には、
アメリカの学校で授業が受けられるちゃうわけ。

 もちろん、英語なんて必要ない。
学校の入学許可証(I-20)だって、F-1ビザだって、
全部、旅行会社が取ってくれるし、
英語がわからない日本人のために、
学校が始まるまで、日本語がわかる
現地コーディネータ付くところもあったよ?

 そんな至れり尽くせりの、
留学ツアープログラムに参加するのは、
大学生の夏休み短期留学ツアー
が多いのね。

 ただし、これにはいいところもあって、
なにしろ参加者が多いもんだから、関係ない旅行者でも
そのツアーに空きがあったら、同じツアー参加者扱いで、
団体割引適用されて飛行機代が、かなり安くなるの。

 それって、おいしいでしょ?
反対に悪いところは、座席の周りはとにかく日本人ばっかり。
しかも、ほとんど1ヶ月半くらいの短期留学生たちで、
卒業旅行気分で、合コン状態!

 うるさいし、勉強する気なんてゼロみたい。
でも、私みたいな貧乏留学生は、飛行機代は高いから、
周りが、大学生ですっごくうるさくても、仕方がない。
お金には代えられないもんね。


私は、長期でしっかり勉強するつもりだったから、
そんな人達から少し離れて、静かに、音楽を聞いてた。

そしたら、突然肩を叩かれた。
それが、寧子(やすこ)ね。
そのあと、親友になるんだけどね。
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