オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
緒川支部長は半ば強引に、ほろ酔いの職員たちに押しきられる形で、カラオケボックスでの二次会に参加していた。

(みんなたまには羽目はずしたいんだな。なかなかこんな機会ないから…。)

ウイスキーの水割りを飲みながらオバサマたちの歌を聞いていると、隣に高瀬FPが座った。

「みんな意外と選曲が若いですねぇ。」

「そうだな…。俺の方がついて行けてないよ、最近の曲はあまり聞かないから。」

唯一参加した新人の佐藤さんは、先輩たちに囲まれて頻繁にマイクを握っている。

「菅谷さん、帰っちゃいましたね。」

「ん?ああ…。」

「本当に良かったんですか?二次会優先しちゃって。」

「まぁ…いつも頑張ってくれてるからな。たまには付き合わないと。」

オバサマたちに取り囲まれ、緒川支部長が気付いた時には、愛美はもう帰った後だった。

「それにしてもあの押し寿司、美味しかったですね。」

「ん?ああ、うまかったな。」

高瀬FPが唐突にそう言ったので、よほど気に入ったのかと、緒川支部長は首をかしげた。

「オーナーがね、菅谷さんは甘い物が苦手だからって、ケーキに見立てた押し寿司作ったそうですよ。今日菅谷さん誕生日なんですよね。」

「あっ…!」



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