オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
それも悪くない
お昼前に愛美の部屋で軽い食事をした後、“政弘さん”は一度自宅に戻って着替えを済ませ、会社の駐車場に向かった。
車に乗り込んだ時、仕事用の携帯電話が着信を知らせた。
電話は高瀬FPからだった。
高瀬FPは、今日出社している職員は森さんと金井さんと宮本さんだけだし、自分も峰岸主管もいるから支部長はゆっくり休んで下さいね、と言った。
「夕べ、あれから誤解は解けましたか?」
「誤解って…。高瀬、あれがただの噂だって気付いてたのか?」
「当然です。少し考えたらわかるでしょう。」
噂は単なる噂だとわかっていながら、わざとあんな言い方をして不安を煽ったんだなと“政弘さん”は気付く。
「高瀬…なかなかいい性格してるな。」
ため息混じりにそう言うと、高瀬FPは電話の向こうで小さく笑った。
「ありがとうございます、誉め言葉ですね。僕も心底お節介だなとは思うんですけどね、いい加減見てられなかったんです。」
「見てられなかったって…何を?」
「支部長ですよ。わざと佐藤さんとの関係を疑わせるようなそぶりを菅谷さんに見せてたでしょう。菅谷さんは顔色ひとつ変えませんでしたけどね。」
「まぁ…そうだな。」
8つも歳下の高瀬FPに、子供みたいに意地を張っていた事を見透かされていたのかと思うと恥ずかしくて、“政弘さん”はバツが悪そうな顔をした。
車に乗り込んだ時、仕事用の携帯電話が着信を知らせた。
電話は高瀬FPからだった。
高瀬FPは、今日出社している職員は森さんと金井さんと宮本さんだけだし、自分も峰岸主管もいるから支部長はゆっくり休んで下さいね、と言った。
「夕べ、あれから誤解は解けましたか?」
「誤解って…。高瀬、あれがただの噂だって気付いてたのか?」
「当然です。少し考えたらわかるでしょう。」
噂は単なる噂だとわかっていながら、わざとあんな言い方をして不安を煽ったんだなと“政弘さん”は気付く。
「高瀬…なかなかいい性格してるな。」
ため息混じりにそう言うと、高瀬FPは電話の向こうで小さく笑った。
「ありがとうございます、誉め言葉ですね。僕も心底お節介だなとは思うんですけどね、いい加減見てられなかったんです。」
「見てられなかったって…何を?」
「支部長ですよ。わざと佐藤さんとの関係を疑わせるようなそぶりを菅谷さんに見せてたでしょう。菅谷さんは顔色ひとつ変えませんでしたけどね。」
「まぁ…そうだな。」
8つも歳下の高瀬FPに、子供みたいに意地を張っていた事を見透かされていたのかと思うと恥ずかしくて、“政弘さん”はバツが悪そうな顔をした。