オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
歯切れの悪い返事をする“政弘さん”に、愛美はおかわりをよそった器を差し出した。

「心配しなくても、私は料理ができるかどうかで結婚相手を選んだりしません。」

ハッキリと言い切る愛美に少し驚いて、“政弘さん”は苦笑いしながら器を受け取る。

(お見通しだ…。敵わないな、愛美には…。)

「料理ができるかどうかで選んだりはしないけど、さっき初めて一緒にキッチンに立って、一緒に料理ができると楽しいだろうなって思いました。」

「愛美がそう言うなら頑張る。」

「少しずつでいいですよ。政弘さんに教えるのも楽しいですから。」

愛美は悩みに悩んで買ったネギを口に運んだ。

「美味しい!特産品っていうだけあって、やっぱり普通のネギよりずっと美味しいです!」

愛美があまりに美味しそうに食べるので、“政弘さん”もネギを口に入れた。

「ホントだ。甘みが強いのかな?野菜もいろいろあるんだなあ。」

「また一緒に買い物に行きましょうね。」

「うん。食料品売り場って意外と楽しいな。」

他愛ない会話をしながらビールを飲み、鍋をつついた。

“政弘さん”はビールを飲みながら、気になっていた事を思い出し、いい機会だから聞いてみる事にした。


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