オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
食事を終えてしばらく経った頃。

愛美がキッチンの後片付けをして“政弘さん”がお風呂の掃除をした。

“政弘さん”がお風呂の掃除をしている間に、愛美はショップ袋からルームウェアを取り出した。

“政弘さん”用に買った物も、あえてラッピングはしてもらわなかった。

プレゼントとして渡すより、自然な形で使ってもらえた方がいいと思ったからだ。

この部屋には自分の居場所があるのだと、安心してもらえたらいいと愛美は思う。

ルームウェアのタグをハサミで切って、その上にバスタオルを置いた。



しばらく経って、浴室給湯器の操作パネルが、お風呂が沸いた事を知らせた。

「政弘さん、先にお風呂入って下さい。今日は着替え大丈夫ですか?」

「さっきついでに新しいの買ったんだ。」

“政弘さん”は昼間にショッピングモールで買った新しいシャツや下着を袋から取り出す。

「じゃあ、これ置いときますね。」

愛美はバスタオルとルームウェアを、さりげなく“政弘さん”のそばに置いた。

「ん…あれ?」

バスタオルの下に何かがある事に気付いた“政弘さん”はバスタオルをめくってみた。

「愛美…これ…。」

「サイズは多分、大丈夫だと思いますよ。」

“政弘さん”はルームウェアを広げてまじまじと眺めた。

(なんでだろう、普通に綺麗なラッピングしてプレゼントされるより嬉しい…。もしかして愛美の買い物って、これだったのかな?)

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