オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
これは誕生日プレゼントだとか、こっそり買ってきたとか、愛美はそんな事は何も言わない。

お礼も感想も求めない。

普通の女の子なら、選ぶのに苦労したとか、気に入ったかとか、きっといろいろ言いたいはずなのに、さりげなくこういう事ができる愛美はやっぱりかわいいと“政弘さん”は思う。

(自然に一緒にいられるっていいなぁ。)

「これ、すごくいいね。」

「そうでしょう。私も色違い買いました。」

「じゃあ、おそろいだ。楽しみだな。」

“政弘さん”はバスタオルと着替えを持って立ち上がり、浴室に向かいかけて振り返った。

「せっかくだから一緒に…。」

「入りません。」

最後まで言い終わらないうちに愛美に言葉を遮られ、キッパリ拒否されて、“政弘さん”はやっぱりなと思いながら苦笑いを浮かべた。

「一応聞くけど、なんで?」

「そういうのはまだ抵抗があります。」

愛美はどうやらまだ、一緒にお風呂に入れるほどは、自分をさらけ出せないらしい。

(愛美の裸なら何度も見てるのに、それでもやっぱり恥ずかしいのかな?不思議だ…。)

「じゃあ、抵抗がなくなったら一緒に入る?」

「…おそらく…いつかそのうち?」

「それならまぁいいか。」

(その辺も時間の積み重ねが必要なのかな?)




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