オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
お昼になり、愛美はお弁当を持ってゆっくりと休憩スペースに移動した。

今日ものんびり昼食を取っているオバサマたちがいるので、なんとなくお弁当を広げづらい。

「菅谷さん、大丈夫?」

足を怪我している愛美を気遣って、金井さんが椅子を引いてくれた。

「まぁ…なんとか…。」

愛美の手元のお弁当に気付いた宮本さんが、立ち上がってお茶を淹れてくれた。

「すみません。」

「そんな事気にしなくていいのよ。それより今日はお弁当作ってきたの?」

「いえ…。私が作ったんじゃないんです…。」

仕方なく袋からお弁当を取り出して蓋を開けると、豚肉のしょうが焼きやカボチャのサラダ、コロッケなどが入っていた。

「あら、美味しそう!誰が作ってくれたの?」

宮本さんに興味津々の様子で尋ねられ、愛美はボソボソと答える。

「健…やまねこのオーナーが…。」

「へぇー、やっぱり料理のできる男の人っていいわね!やっぱり二人は付き合ってるの?」

「違います、付き合ってません!!」

(だからいやだったのに…。)

割り箸を割って、カボチャのサラダを口に運んだ。

(あ、これ美味しい…!)

美味しそうにお弁当を食べ進める愛美を見て、オバサマたちはニヤニヤしている。

「オーナー、お弁当で菅谷さんの胃袋つかむつもりね。」

「何言ってるんですか…。」

「だってねぇ。二人お似合いだし、いいじゃない。」

「そうそう!さっきのお姫様だっこにはドキドキしちゃったー!」

「やめてくださいよ、もう…。」

この調子でしばらくひやかされ続けるのかと思うとうんざりする。

< 52 / 169 >

この作品をシェア

pagetop