オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
歓迎会が始まってから1時間ほど過ぎた頃。
緒川支部長がスーツの胸の辺りを押さえて立ち上がり、内ポケットから仕事用の携帯電話を取り出しながら店の外に出た。
「部長からですかね。」
いつの間にか隣に座っていた高瀬FPが呟いた。
「支部長、来週の営業部の支部長会議で使いたいって、今年度のうちの支部の成績の資料頼まれてたから。」
「そうなんですか。」
「聞いてないですか?」
「聞いてません。」
ずっとまともに話していない。
以前だって職場ではたいした会話はしていなかったのに、今は自分が避けられているのではないかと思ってしまう。
(私なんかより佐藤さんの方がよっぽど会話してるんだろうな…。)
仕事で緒川支部長と一緒にいる佐藤さんに嫉妬するなんておかしな話だ。
仕事のためだけなら、の話だけれど。
「皆さん、飲んでますかー?」
座敷に健太郎が姿を見せた。
その手にはケーキのような物が乗った大きなお皿を持っている。
健太郎の後ろにも、同じ物を持ったスタッフがいる。
「あら、それなあに?」
「ケーキみたいだけど…。」
「これね、ケーキに見立てた押し寿司です。」
「綺麗ね!すごく美味しそう!!」
健太郎は空いた皿を下げてスペースを作り、押し寿司の乗った皿を3つテーブルに置いた。
「これ僕からのサービスです。今後ともごひいきに。」
「次からも支部の飲み会はここに決まりね!」
「ありがとうございます。ランチにもぜひ来てくださいよ。」
「それがなかなかねぇ…。菅谷さんは毎日オーナーの作ったお弁当で羨ましいわね。」
竹山さんの一言に、健太郎はほんの少し、何かを考えるそぶりを見せた。
緒川支部長がスーツの胸の辺りを押さえて立ち上がり、内ポケットから仕事用の携帯電話を取り出しながら店の外に出た。
「部長からですかね。」
いつの間にか隣に座っていた高瀬FPが呟いた。
「支部長、来週の営業部の支部長会議で使いたいって、今年度のうちの支部の成績の資料頼まれてたから。」
「そうなんですか。」
「聞いてないですか?」
「聞いてません。」
ずっとまともに話していない。
以前だって職場ではたいした会話はしていなかったのに、今は自分が避けられているのではないかと思ってしまう。
(私なんかより佐藤さんの方がよっぽど会話してるんだろうな…。)
仕事で緒川支部長と一緒にいる佐藤さんに嫉妬するなんておかしな話だ。
仕事のためだけなら、の話だけれど。
「皆さん、飲んでますかー?」
座敷に健太郎が姿を見せた。
その手にはケーキのような物が乗った大きなお皿を持っている。
健太郎の後ろにも、同じ物を持ったスタッフがいる。
「あら、それなあに?」
「ケーキみたいだけど…。」
「これね、ケーキに見立てた押し寿司です。」
「綺麗ね!すごく美味しそう!!」
健太郎は空いた皿を下げてスペースを作り、押し寿司の乗った皿を3つテーブルに置いた。
「これ僕からのサービスです。今後ともごひいきに。」
「次からも支部の飲み会はここに決まりね!」
「ありがとうございます。ランチにもぜひ来てくださいよ。」
「それがなかなかねぇ…。菅谷さんは毎日オーナーの作ったお弁当で羨ましいわね。」
竹山さんの一言に、健太郎はほんの少し、何かを考えるそぶりを見せた。