ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
放課後にワガママ
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「っぅおぉ!ビックリしたー。」
放課後、帰ろうと教室を出た俺は急に視界を占領した苺ちゃんに驚いた。
「…先輩、暇だよね?付き合って欲しいところがあるの。」
「…おぉ、いいけど。ってかそんな暇人に見えんのか俺は。」
「うん。」
即答やめろよ。
思ってるよりも俺の心はガラス細工。
俺の心…苺ちゃんといたらそのうち粉々になりそうだ。
「……それで?どこ行くわけ。」
尋ねる俺に、少し躊躇いながら口を開いた苺ちゃんは
「メンズの腕時計を見に行きたくて。」
”男の人の趣味って分からないから…一緒に付いてきて欲しい”と続けた。