ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
「……それ、お兄さんにあげんの?」
そんな苺ちゃんに、拍子抜けした俺は腕時計を指差しながら問いかける。
「…うん。誰だと思ったの?」
そんな俺を不思議そうに見つめて首をかしげる苺ちゃん。
「…いや…べつに。そっかお兄さんいたんだ。……なんだ。」
てっきり好きなやつへのプレゼントかと思ってた、ってのは何でか言えなかった。
でも、違って……良かった。さっきまでのモヤモヤもぶっ飛んで心は快晴。
……って、何でだ?
あ、妹に彼氏とか出来たら嫌なのと同じような気持ちか。妹いねぇから分かんねぇけど。
「変なの。」
「…俺は過保護なんだよ。」
「いつから保護者だよ。」
いいじゃん?保護してくれる人は多いに越したことねぇって。
な?