ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~


「……それ、お兄さんにあげんの?」

そんな苺ちゃんに、拍子抜けした俺は腕時計を指差しながら問いかける。


「…うん。誰だと思ったの?」


そんな俺を不思議そうに見つめて首をかしげる苺ちゃん。


「…いや…べつに。そっかお兄さんいたんだ。……なんだ。」


てっきり好きなやつへのプレゼントかと思ってた、ってのは何でか言えなかった。

でも、違って……良かった。さっきまでのモヤモヤもぶっ飛んで心は快晴。


……って、何でだ?
あ、妹に彼氏とか出来たら嫌なのと同じような気持ちか。妹いねぇから分かんねぇけど。


「変なの。」

「…俺は過保護なんだよ。」

「いつから保護者だよ。」


いいじゃん?保護してくれる人は多いに越したことねぇって。

な?
< 21 / 68 >

この作品をシェア

pagetop