ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
先輩だけにワガママ
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「…わー!かっわいい!ね、見てホラ!ペンギン!」
俺の目の前には、普段からは想像もできないくらい楽しそうにはしゃぐ苺ちゃん。
ペンギンより、苺ちゃんが可愛いって言ったらきっと、照れながら怒るんだろうな。
「…何1人でにやけてんの?気持ち悪い。」
「…ん?…可愛いな〜と思って。」
「だよね!ペンギン可愛いよね〜!」
「……苺ちゃんが。」
俺の言葉に、数回瞬きを繰り返した後
「…な、え、ばっ、先輩 最近 変だよ!」
って。
俯いて真っ赤な顔を隠す苺ちゃんは、怒ることも忘れて照れてるし。だめだ、俺このままじゃキュン死にする。
「…思ったことは伝えないと、な?」
そう言って頭をポンポンとなでれば
「………先輩もカッコいいよ。」
だって。
聞こえるか聞こえないかってくらい小さい声だったけど、俺 聞き逃さなかった。