ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~

「…何…珍しくデレ?」

「…う、っさい。ホラ、次行こう!」


「はいはい。」


駅前に10時に集合してやって来たのは、近場の水族館。


割と混んでる館内は、家族連れやカップルで賑わっている。


「…苺ちゃん、手。」

「…ん?」

「人多いから、迷子防止。」


差し出す俺の手を躊躇いながら握ると”本当、子供扱い。”と、不満げにブツブツ言いながらも、その顔は笑っていた。


「…そんな嬉しい?俺と手繋いで歩くの。」

「…なっ!違うもん。そんなこと言うなら離す!」

「あー、もう。嘘。俺が繋いでたいから離さないで。」


”ね?”とニヤリと笑えば、俺の手をギュッと握ったままそっぽを向いてしまう。


本当、素直じゃないしワガママだし、これから先 苦労しそうだな〜俺。
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