ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
あれから綾瀬は、何事もなかったように隣の席へ戻ってきて帰りのHRを受けていた。
ボーッとしながら頭に浮かぶのは綾瀬の告白現場。
綾瀬のくせに、告白されるとか生意気。しかも断ってたし。
ま、断って当たり前か…あいつが好きなのは……
って、あー!何で俺がこんな気にしてんだ。
気づけばHRも終わって、チラッと隣に目をやれば綾瀬はカバンに荷物を詰めて帰る支度をしている。
「……綾瀬。」
「ん?」
最近、俺との絡みに少し慣れてきたのか今までのように言葉を詰まらせたり、俯いたりする事が減った綾瀬。
「……4組の安藤。」
「…っ!」
それだけ口にすれば、分かりやすく反応する。